【2022年版】建設現場用カメラの選び方

建築工事や土木工事などの建設現場では、工事写真の撮影は必須です。
工事写真では「撮影のタイミングを逃す」「データを紛失する」といった失敗が、何より避けなければならないことになります。
スマホや一般のコンパクトデジカメでも撮影はできますが、工事現場という環境に適したカメラを使うことにより、こうした失敗を防ぐことができます。

粉塵が発生しやすい建設現場の場合、粉塵や水がカメラの中に入り込んだり、落としたり、ぶつけたりしてカメラが故障することがあります。最悪の場合、撮影した写真データが消失してしまうということもあります。
また、工種によっては望遠ズーム写真や広角全景写真をたくさん撮る必要があります。
工事現場の工程写真は、そのタイミングを逃してしまうと、後からは絶対に撮れませんから、必要なカメラの機能を把握し、事前に準備しておくことが大切です。

ここでは現場カメラを選ぶ際のポイントをいくつか紹介したいと思います。
(ただし、全ての条件をクリアするカメラはありませんので、十分にご検討ください)

ポイント1: 丈夫であること

現場用カメラを購入する際の条件の一つが、まず「丈夫であること」。
落としたり、ぶつかったり、濡れたりしても壊れにくい耐久性が必要です。
具体的には、防水、防塵、耐衝撃、耐低温といった耐久性能がほしいところです。
特に防塵性、耐衝撃性が現場用カメラには求められます。
防塵性、耐衝撃性が必要のない工種、現場では、高倍率ズームのカメラを使うといいと思います。

◎:耐久性能(防水、防塵、耐衝撃、耐低温)が高い現場用カメラ OLYMPUS Tough TG-6
RICOH WG-7
RICOH WG-70
Nikon COOLPIX W300(生産終了)
FUJIFILM FinePix XP140 など
△:現場用高倍率ズームカメラ CANON PowerShot SX720 HS など

ポイント2: 広角レンズであること

次に工事現場を撮影するカメラに求められるのが、広角の撮影に対応していること。
現場では狭い足場から撮影しなければならないことも多く、広角レンズなら一度に広い範囲を撮ることができます。
建物全景や構造物全体を撮影する場合にも広角レンズは大変便利です。

◎:焦点距離24mm CANON PowerShot SX720 HS
Nikon COOLPIX W300(生産終了)
○:焦点距離25mm OLYMPUS Tough TG-6
△:焦点距離28mm RICOH WG-7
RICOH WG-70
FUJIFILM FinePix XP140

ポイント3: F値が小さい明るいレンズであること

F値の小さいレンズを搭載しているということは、明るく撮影できるカメラであるということです。
F値が小さい(明るい)レンズの利点は、照明がない場所、薄暗い所、天気が悪いときなど、明るさが足りないシーンで鮮明に撮影できる点です。
特に地下工事、トンネル工事などで活躍します。
暗いレンズの場合、フラッシュを使うと、塵やホコリまみれの写真になってしまうし、フラッシュ無しだと、光量不足で手ブレを起こしてしまいます。
明るいレンズなら、少ない光量で鮮明な写真を撮ることができます。

◎:開放F値2.0 OLYMPUS Tough TG-6
○:開放F値2.8 Nikon COOLPIX W300(生産終了)
△:開放F値2.8超 RICOH WG-7
RICOH WG-70
CANON PowerShot SX720 HS
FUJIFILM FinePix XP140


ポイント4: マクロ機能に強いこと

また、工事現場写真でよく使うのが、マクロ機能(接写機能)です。

  • 鉄筋のマーク記録
  • パイプの小さな文字の記録
  • 材料のロット№の記録
  • 鋼製部材のサビの写真
  • コンクリートのクラック写真
  • 仕上げ材の傷
  • ノギスやスケールをあてたmm単位の接写写真

など、マクロ撮影が必要なシーンはたくさんありますよね。
最低でも、最短撮影距離1cm程度のマクロ機能が欲しいところです。

◎:最短撮影距離1cm OLYMPUS Tough TG-6
RICOH WG-7
RICOH WG-70
CANON PowerShot SX720 HS
Nikon COOLPIX W300(生産終了)
×:最短撮影距離1cm超 FUJIFILM FinePix XP140

ポイント5: コンパクトで軽いこと

工事現場では必要な写真を撮れるタイミングが一瞬の場合が多々あります。できるだけ軽量小型で常に携帯できるサイズのカメラを選びたいですね。

◎:重量200g以下 RICOH WG-70
△:重量200g超 OLYMPUS Tough TG-6
RICOH WG-7
CANON PowerShot SX720 HS
Nikon COOLPIX W300(生産終了)
FUJIFILM FinePix XP140


その他の検討ポイント

CALSモードが搭載されていること

「CALSモード」とは、簡単な設定で、公共建設工事などの電子納品に適した画質・サイズで撮影できるモードを言います。
一般に「画素数:1M~3M(100万~300万画素)、ファイルサイズ:500KB以下」のデータのことを指します。

◎:CALSモード搭載カメラ OLYMPUS Tough TG-6 工一郎
RICOH WG-7
RICOH WG-70
FUJIFILM FinePix XP140
△:CALSモードはないが、画素数を1M~3M(100万~300万画素)に設定できるカメラ OLYMPUS Tough TG-6
CANON PowerShot SX720 HS
Nikon COOLPIX W300(生産終了)

USB端子が「USB3.0(Type-C)」であること

USB3.0(Type-C)に対応しているカメラの場合、充電ケーブルがスマホなどと共用でき、急速充電も可能です。

◎:USB3.0(Type-C) RICOH WG-7
△:USB2.0(マイクロB) OLYMPUS Tough TG-6
RICOH WG-70
CANON PowerShot SX720 HS
Nikon COOLPIX W300(生産終了)
FUJIFILM FinePix XP140

設定が簡単で、だれでも簡単に取り扱えること

一眼レフカメラのような複雑、高度な機能は、現場撮影では、かえってややこしい。
オートモード撮影で、ある程度キレイに撮れるものがいいですね。

ボタンが大きいこと

これは過酷な現場では意外と重要。
手袋、軍手をつけたまま撮影したい工種、現場があります。

液晶が大きく見やすいこと

3インチくらいの大きさが欲しいです。

シリコンジャケットがオプションで用意されていること

過酷な工種、現場では、念には念を入れて防塵対策、キズ防止をしたいです。

価格がなるべく安いこと

ハードに使うものなので、買い換えるサイクルも早いし、高価すぎるものはなかなか会社の決裁がおりません。