失敗しない撮影術
実は、たいていの失敗写真は、画像処理ソフトで修正できてしまいます。
でも、修正しようのない写真もあるし、後から写真を修正することは技術も必要なうえに、正直言ってかなり面倒くさい。
出来ることなら、一発でキレイに撮りたいですよね!!
ここでは代表的な現場写真の失敗とその対策について考えてみたいと思います。
ピンぼけ
「ピンぼけ」とは、撮りたい対象物にピントが合わず、周辺(前や背景)にピントが合ってしまい、対象物がぼけてしまう現象・写真のこと。
たとえば、動物園で檻の中にいる動物を撮る場合、手前の柵にピントがあってしまって、奥の動物にピントが合わないようなケースです。
AF(オートフォーカス)で撮影する場合、次のようなシーンでは、ピンぼけが発生しやすくなります。
- 中央に被写体がない場合
- 真っ白な壁など、コントラストが低い場合
- 強い日差し、逆光の場合
- 光沢、反射のある被写体
対策方法
「対象物とほぼ同じぐらいの距離にある物にピントを合わせておいてから、対象物にカメラをずらして撮る」方法が有効です。
- まず、対象物とほぼ同じぐらいの距離にある物を液晶画面(またはファインダー)の中心に持ってきて、シャッターを半押しにしてピントを合わせます。すると、ピントがあったサイン(青ランプや、ピピッという音)が出ます。
- 次に、シャッターを半押しにしたまま(AFロック状態)、写したい対象物の位置までカメラをずらして、シャッターボタンを押し込みます。すると、ピントを確実に合わせて撮影することができます。
手ブレ
「手ブレ」とは、シャッターが開いている間にカメラが動いてしまい、写真全体がずれて重なったように写ってしまう現象・写真のことを言います。
シャッター速度が速い場合は、短い間だけカメラを固定できればよいので、手ブレはほとんど発生しません。逆に、シャッター速度が遅い場合は、長い時間カメラを固定する必要があり、手ブレが発生しやすくなります。
つまり、夜間や薄暗い所での撮影の場合、カメラが光をたくさん取り込もうとシャッター速度を自動的に遅くするため、手ブレの危険性が高くなってしまうのです。
対策方法
「カメラをしっかり固定する」方法が有効です。
具体的には、次のような方法でカメラを動かさないように意識しましょう。
- 股を開いて立ち、両脇をしめて、両手でカメラを持って撮影する。
- 壁に体を押し付けたり、テーブルにひじをついたりして、カメラがなるべく動かないように固定して撮影する。
- 三脚(または一脚)を使いカメラを固定して、タイマー機能で撮影する。
写真の傾き
水平垂直のとれていない写真って、安定感がなくて気になりますよね。
この写真もなんだか気持ち悪くないですか??
人間の目は、たった1℃傾いているだけで違和感を覚えると言われています。
特に、広角での建物全景写真や風景写真では、地面・地平線・水平線の傾き、建物の傾きが目立ってしまいます。
たまにですが、シャッターボタンを強く押しすぎて、すべての写真が傾いてしまう人もいるそうですね(笑)
対策方法
- 液晶モニターの枠と対象物の水平垂直を意識して撮影する。
- 両脇をしめて、両手でカメラを持って撮影する。
- 三脚(または一脚)を使って撮影する。
- 水準器内臓のカメラを使って撮影する。
などの方法が考えられますが、一番基本なのは、
“常に”水平垂直を意識して撮影すること
ではないでしょうか。
例えば、シャッターボタンを強く押しすぎて、写真が傾いてしまう人は、自分の癖を見極めて、最初からシャッター後の傾き分を補って構図を取るとか・・・ね。
薄暗い場所で、塵やホコリが写ってしまう
地下工事、トンネル工事など、薄暗い現場で多いのが、フラッシュによって「塵やホコリなどの浮遊物」がたくさん写り込んでしまう写真です。
えっ?オーブ?オーブなの?と一瞬焦りますよね。
浮遊物の写り込みを避けようとフラッシュを使わないで撮影すると、光量が足りずに手ブレが発生しやすいため、工夫が必要になります。
対策方法
- フラッシュにあまり頼らないこと。
- 投光機やLEDランタンなどで光量を確保すること。
- F値の小さい明るいレンズを使うこと。
- 三脚(または一脚)を使い、手ブレを防ぐこと。
遠景と近景をセットで撮る
現場写真でありがちなのが、写真整理の時に「この写真どの場所で撮った写真だっけ」というもの。
私も新人の頃は良くやっちゃっていました。
撮影対象物を、広角で遠景写真を1枚、ズーム(またはマクロ)で近景(接写)写真を1枚撮るという習慣をつけましょう。
これマジ基本っす。