溶接管理技術者(WES)1級に短期間で合格する勉強法

こんにちは。
今回は私自身の受験体験を元に、「溶接管理技術者(WES)1級」に合格する勉強法について解説します。

私は、非破壊検査会社に入社後6年ほど「建築鉄骨溶接」の非破壊検査員として働き、7年目以降は「コンクリート構造物」の調査員をメインでやっている経験20年以上の技術者です。
関連資格をたくさん取得しましたので、技術教育の講師をしていたこともあります。

溶接管理技術者(WES)1級に合格する勉強法については、ネット上にほとんどない情報ですので公開してしまっていいか悩むところですが、ベテラン非破壊検査員として日本の若手技術者を育てる義務があると思っていますので、秘訣みたいなものを紹介します。
WES 1級に合格したいと考えている方の参考になればと思います。

(1)研修会は受けたほうが良い
(2)用意する教材
(3)不合格になるパターン1(公式テキスト中心で勉強してしまう)
(4)不合格になるパターン2(研修会の配布問題集中心で勉強してしまう)
(5)おすすめ入門書
(6)おすすめ勉強法
(7)満点を取る必要はない、過去問を90%くらいマスターする

研修会は受けたほうが良い

日本溶接協会で開催される「溶接管理技術者のための研修会」は必須ではありませんが、できれば参加したほうがいいでしょう。
「参加者は2年間、口述試験が免除される」というメリットがありますので、多くの受験者がこの研修会を受けています。
費用が高額ですし4日間もあるため大変ですが、口述試験の評価基準、対策方法などがよくわかっていないので、研修会に参加したほうが賢明だと思います。

用意する教材

・公式テキスト:「溶接・接合技術総論」(産報出版)
・過去問:「【特別級・1級】筆記試験問題と解答例」(産報出版)

不合格になるパターン1(公式テキスト中心で勉強してしまう)

この試験に落ちるパターンで多いのが、公式テキストを読んで暗記しようとしてしまう人です。
公式テキストは膨大なボリュームで、試験に出ない記述もたくさんあります。
過去問を中心に勉強するのがこの資格の正しい勉強法です。
公式テキストは、ざっくり通読したあとは、過去問を解きながら辞書代わりに使うのが正解です。

不合格になるパターン2(研修会の配布問題集中心で勉強してしまう)

この試験に落ちるパターンで最も多いのが、研修会の配布問題集を中心に勉強してしまう人です。
研修会の配布問題集で勉強して合格する人もいるのですが、失敗する人のほうが多いのではないでしょうか。
研修会の配布問題集はたしかに良い問題集なのですが、量が多すぎるのです。
出題されそうにない問題も多く含まれます。
これをやっていると過去問の学習が不十分になってしまいます。
もし、この研修会の配布問題集をやらなければ合格できないとしたら、大変、不公平な試験になってしまいます。市販されていませんので。

おすすめ入門書

基礎知識が不十分なままで、公式テキストや過去問に手を付けるのは遠回りだと思います。
以下の入門書はどちらも公式テキストよりずっとわかりやすいので、事前に読んでおくことをおすすめします。

(1)「溶接技術入門」(オーム社、小林一清著)
(2)「マンガでわかる溶接作業」(オーム社、野村宗弘、野原英孝著)

(1)は定番の入門書で、溶接関係の神書籍です。大学や職業訓練校などでも使われている教科書で、わかりやすさはこの本がNo.1です。
(2)はマンガでわかる系の本なんですが、絵がビックコミックスピリッツなどで人気の漫画家、野村宗弘さん。しかも、(1)と同じくらい分かりやすく書かれています。
野村宗弘さんは若い頃、広島で溶接関係の仕事に従事したあと、漫画家になった人です。
「とろける鉄工所」「うきわ」などの作品があり、「うきわ-友達以上、不倫未満」は最近テレビドラマ化されましたね。
個人的には「鉄工所にも花が咲く」がおすすめです。広島弁と可愛い絵と切ないストーリーがいいですよ。
ちょっと話が脱線してしまいました。

おすすめ勉強法

ここまで読んできたら、もう、おわかりでしょう。
まず、上記の入門書をよんで、公式テキストをざっくり読みます。
あとは、産報出版の過去問(筆記試験問題と解答例)を暗記してしまうくらいに解きまくること。
過去問8回分もあるのでボリュームは十分。
過去問を丸暗記です。
ガンガン書き込みOKです。
考える時間、解答をめくる時間がもったいないので、答えを書き込んでしまいます。
「過去問に答えを書いてしまったら、時間をはかって解く練習ができないじゃないか」という人もいるでしょう。
でも、そのときは「同じものを2冊、用意すればいい」だけの話です。
過去問の丸暗記に勉強時間の9割を使ってください。

満点を取る必要はない、過去問を90%くらいマスターする

満点を取らないと合格できない試験ではありません。
70%前後の正解が合格ラインといわれている試験です。
過去問のうち比較的易しい問題に集中し、全体の10%くらいの難しい問題(勉強に時間のかかる一部の記述式、計算問題)は捨てても合格できます。
過去問を90%くらいマスターすれば大丈夫だよ、ということです。

これが、短期間で確実に合格する方法です。

以上、最後まで目を通していただき、ありがとうございます!